ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画

映画『トスカーナの休日』を観て③

(②からつづいています) 嵐の夜、家の外に置いてあった洗濯機は、カミナリが落ちて壊れてしまいます。翌日、不動産業者の男性、マルティーニが、改装業者が来る日だということもあって、家を訪ねてくれました。改装工事を依頼することにしたのは、ニーノと…

映画『トスカーナの休日』を観て②

(①からつづいています) フランシスは、ツタが上の方まで絡みついている背の高い門扉を開け、玄関につづく庭をキャリーケースを引いて歩きます。玄関前にある数段の石の階段を上がり、ドアをノックして開けました。すみません……こんにちは……と声をかけます…

映画『トスカーナの休日』を観て①

この映画は、雑誌『クウネル「あの人が薦めてくれた映画」』(2023年11月20日発売・マガジンハウス)の中で、日本酒蔵元の12代目であり、音楽家でもある、かの香織さんが、繰り返し観る映画として紹介されていました。10回近く観ている大好きな作品であるそ…

映画『人生、いろどり』を観て②

(①からつづいています) かおるちゃんは、裕香の顔を見たあと、一人で店の調理場へ向かいました。あとの人もかおるちゃんにつづきます。かおるちゃんは、そこにいた女将と料理長に、自分たちはつまものの葉っぱを売ろうと思っていることを伝え、何にも知ら…

映画『人生、いろどり』を観て①

地元の市立図書館には、新刊の雑誌が、一冊ずつ正面を向けて立てかけられている棚があります。その棚にあった、俳優の役所広司さんが目を細めて笑っている、表紙の本に目が止まりました。 それは、雑誌『クウネル「あの人が薦めてくれた映画」』(2023年11月…

綾瀬はるかさんの映像を観て

テレビドラマ『ホタルノヒカリ』を観て以来、ときどき綾瀬はるかさんの映像が観たくなります。なぜなのでしょう? 真面目で一生懸命でありながら、見ていると、どこかおかしみがある綾瀬さんの演じる姿を観たいのだと思います。 そんなことを考えている間に…

映画『461個のおべんとう』を観て

いつも利用させてもらっているレンタルDVD店のお薦めの棚にあった、黄色い背表紙に黒っぽい文字で『461個のおべんとう』と書かれた、DVDケースに目が止まりました。手に取って見ると、それは、妻と別れたミュージシャンの男性が、15歳の息子と二人で暮…

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を観て

『ニューヨーク公共図書館』という映画があることをインターネットで知りました。少し前のことです。図書館や本屋さんという場所が好きなので、タイトルだけが頭の中に残ったのでしょうか。どんな作品なのか分からないのでした。もう一度インターネットで調…

映画『おくりびと』を観て

どうしたらいいのか分からない中でも、目の前のことに一生懸命向かっていたら、なるようになるのかもしれないと、この映画を観終わったあと感じました。また、一生懸命に生きていたら、最後にごほうびをもらえるんだ、とも思えたのです。 『おくりびと』は、…

映画『グリーンブック』を観て ②

(①からつづいています) 旅が始まりました。ドクターはトニーの言葉遣いを、それなりに魅力的であることを認めつつも、語調、抑揚、言葉の選び方などについて「簡単な矯正法があるので教えよう」とか、「その気があれば君なら直せる」などと言います。慣れ…

映画『グリーンブック』を観て ①

『グリーンブック』を観るまでには道のりがありました。まず、多くの人が観てよかったと言われている映画、『最高の人生の見つけ方』から始まりました。この作品は、2007年に公開されたアメリカ映画です。異なった環境で生きてきた二人の男性が、病室で互い…

映画『アバウト・タイム――愛おしい時間について――』を観て②

(①からつづいています) ティムとメアリーは結婚することになります。コーンウォールでの結婚式当日は、どしゃ降りの雨。といっても、そこはティムの家族、屋外のテントで披露宴をしようというのです。強風のために傘もさせないので披露宴会場への移動も一苦…

映画『アバウト・タイム――愛おしい時間について――』を観て①

レンタルDVD店の棚を上段から、真横にずーっと目を移動させていたとき、『アバウト・タイム』のタイトルに目が止まりました。どういう意味だろう? 手に取ったパッケージを見ると、『ラブ・アクチュアリー』や『ノッティングヒルの恋人』を撮った、リチャー…

インドの映画『きっと、うまくいく』を観て ②

(①からつづいています) 二人のやり取りを隣で聞いていたほろ酔いのラージューが、“ランチョー導師様”と頭を垂れて声をかけました。自分の情熱は工学にあるのに、どうして成績がビリなんだろうというのです。“それはお前が臆病だから”。ランチョーは即答する…

インドの映画『きっと、うまくいく』を観て ①

この映画は、おすすめの映画として何人もの人がインターネットで紹介されていました。レンタルDVDのパッケージにも、全世界で大ヒットしたとあります。多くの人が観て(または読んで)よかったと勧めてくれている作品は、いつも、わたしも誰かに勧めたくなりま…

映画『ツナグ』を観て ②

(①からつづいています) 夜が明けてきて、キラリの消えていった部屋を出た土谷が、歩美にお礼を言います。そうして階段を降りていく土谷の背に、歩美が声をかけました。土谷が立ち止まり振り返ります。“キラリさんのこと忘れないでください”。歩美の言葉に、…

映画『ツナグ』を観て ①

『ツナグ』もまた、映画『最強のふたり』のDVDの中で紹介されていました。死んだ人との再会をかなえてくれる案内人、“ツナグ”。会えるものなら、ツナグをとおして会わせてもらいたいだろうか? 自問しながらこの映画を観てみたいと思いました。 『ツナグ』は…

映画『砂漠でサーモン・フィッシング』を観て ②

(①からつづいています) 資産家は、イエメンの部族の長であるシャイフ・ムハンマドで、彼はこのプロジェクトに協力することになったジョーンズに、感謝の気持ちと、前向きな気持ちでやらなければ何も成功しないことを伝えました。 天然の鮭を手に入れることが…

映画『砂漠でサーモン・フィッシング』を観て ①

この作品も、映画『最強のふたり』のDVDに収録されていた映画案内の中の一本です。釣り好きな水産学者ジョーンズのもとに、ある日、投資コンサルタントのハリエット(女性)から一通の電子メールが届きます。ある資産家が中東のイエメン国に川を造り、鮭を釣っ…

映画『カルテット!人生のオペラハウス』を観て ②

(①からつづいています) レジーが、どうして歌うことをやめたのかと、ジーンに尋ねます。ジーンは、突然重圧が大きくなったのだと答えました。“今日の出来は昨日の出来よりよくなければならない⋯⋯でもそんなの無理。すごくピリピリして歌うことができなくなっ…

映画『カルテット!人生のオペラハウス』を観て ①

映画『最強のふたり』のDVDには、今まで観た中で最も多くの他作品の紹介映像が収録されていました。13作品くらいあったと思います。そのうちの1つが、『カルテット!人生のオペラハウス』でした。 引退した音楽家たちの老人ホームには、いつも音楽が満ち…

映画『最強のふたり』を観て ②

(①からつづいています) フィリップの現実も、ドリスの置かれた境遇も決して明るいものではないのに、二人のやりとりは笑えます。本当のことを喋っているようでいて、楽しく笑える話にしていくのです。笑えるって最強だと思いました。 フィリップがドリスに自…

映画『最強のふたり』を観て ①

映画『最強のふたり』の予告映像を、ずっと前にテレビで観たことがありました。今でもその映像を観ることができるのだろうかとインターネットで探してみると、すぐに見つかりました。 全身麻痺である大富豪フィリップが自身の介護人として雇ったのは、スラム…

映画『レンタネコ』を観て ③

(②からつづいています) 低く、簡単に作ってある竹垣のところでサヨコはよく、隣のおばあさんと顔を合わせます。おばあさんは、サヨコの気にしていることをズケズケと言ってきます。おばあさんが立ち去ったあとサヨコは、おばあさんのことを“ぜっていゆるさね…

映画『レンタネコ』を観て ②

(①からつづいています) 小ぶりのリヤカーの荷台に、ネコがすっぽりはまるくらいの深さのある長方形のかごを2つ、隙間なく固定しています。どちらのかごも、畳表のような通気性がよくネコが触れても痛くない素材で、3つに仕切られ、囲われているのです。6…

映画『レンタネコ』を観て ①

“都会の片隅にひっそりと一軒のレンタネコ屋がありました⋯⋯”。画面から、そんな言葉が流れてきました。『映画ホタルノヒカリ』を観ようとDVDを借りてきたとき、その前に、当時の新作DVDの紹介映像が数本あり、『レンタネコ』はそのうちの一本でした。さみし…

『映画 ホタルノヒカリ』を観て ②

(①からつづいています) “ずっと昔、遠い夏の記憶。おばあちゃんの家の縁側で見つけた小さな蛍。おばあちゃんは言った。蛍はね、きれいな水と流れる川と、ありのままの自然がなければ生きていけないんだよ。夏が来るたびに、あの日、幼かったわたしの手の中に…

『映画 ホタルノヒカリ』を観て ①

テレビドラマ『ホタルノヒカリ2』に続いて、2年後の2012年6月に公開された、『映画ホタルノヒカリ』のDVDを借りてきました。 2012年冬、主人公、雨宮蛍は部長の高野誠一と結婚して(高野蛍になって)、お正月を迎えていました。誠一は蛍とは別の会社…

『noma ノーマ、世界を変える料理』を観て⑤

(④からつづいています) おしまいに、レネさんがノルウェーの漁師から聞いた“パーフェクト・ストーム”の話をしてくれました。“パーフェクト・ストーム”というのは、空と海が一緒になって襲ってくる猛烈な嵐のことです。この世の終わりとも思える光景で、なす…

『noma ノーマ、世界を変える料理』を観て④

(③からつづいています) それについて、レネさんも補足されています。この食材しかダメだと制限したいわけではなく、大切なのは食材と向き合うことだというのです。できる限り北欧産の食材しか使いたくないというのは、それが食の世界に革命を起こす考え方で…