ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

『noma ノーマ、世界を変える料理』を観て⑤

(④からつづいています)


おしまいに、レネさんがノルウェーの漁師から聞いた“パーフェクト・ストーム”の話をしてくれました。“パーフェクト・ストーム”というのは、空と海が一緒になって襲ってくる猛烈な嵐のことです。この世の終わりとも思える光景で、なすすべもなく絶望しそうになります。力が尽きそうになっても、いつかこの困難が過ぎ去ることを固く信じて、踏みとどまるべきなんだ。そして、その“パーフェクト・ストーム”こそノーマでの僕の人生だ、とレネさんはいわれるのでした。


あと、お皿に盛られた、ひとかたまりの白い食物の上に蟻のようなものが、まばらにくっついた料理についてです。“自然を肌で感じ、その恵みを得て、節度ある量を消費する”というレネさんの考えのもと、野山に入り、枯葉や土で小山になった蟻の巣(だと思うのですが)から、深さのあるプラスチック容器に蟻(ということにさせていただきます)を幾らかつかまえてきます。そのうちの8匹くらいが、白い小皿の上の、泡立てられた生クリームのような形状の白い食物にくっついているのです。白い小皿の下には、小皿の倍くらいの大きさの、白色が混ざる薄灰色の大皿が敷かれ、白い小皿の隣には、紫色の花が入った何種類かの植物で作られた花束が添えられています。


蟻は微動はしても、白い食物からは離れていきません。お酒にでも酔っているのでしょうか? 小皿に盛られた食物が何なのか、どんな味なのかわかりませんでした。もしノーマに食事に行くことができて、この料理が出された折には、蟻や添えられた花束を食べていいのか聞くことにします。