ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

アグネス・チャン著『70歳、ひなげしはなぜ枯れない』を読んで

少し前(2025年8月または9月の初めごろ)に、歌手であり、エッセイスト、教育学博士でもある、アグネス・チャンさんがテレビに出演されていました。その番組でアグネスさんは、人の体から分泌されているホルモンは、その人の気持ちにも影響を与えるというようなことを、話されていました。また、三人の息子さんたちの成長の過程においても、あなたは悪くないのよ、ホルモンのせいなのよ、と助言されたのだと、おっしゃっていたように記憶しています。


ホルモンって何なのだろう? 体が分泌してくれているのだから、人間にとって必要なものであるのだと思います。ホルモンの働きを理解して、自分の体といっしょになって役立たせたいと思いました。そのホルモンのことが、アグネスさんの最近出版された本には書かれているということでしたので、その本、『70歳、ひなげしはなぜ枯れない』(ワニブックス)を読んでみたいと思ったのです。


この本を読み終えて最初に気づいたことは、この本の初版発行日がアグネスさんの70歳の誕生日であったことです。またアグネスさんは、14歳のとき香港で歌手としてデビューをし、17歳のときには『ひなげしの花』という楽曲で日本デビューされています。なのでこの本には、70歳を迎えた明るく自然体であるアグネスさんの、日々の食事、運動、心の持ち方等が丁寧にかつ簡潔に綴られていました。


ホルモンについての記述もありました。体の中には100種類以上ものホルモンがあり、それは、血管の中にはいって全身に「こうしてね」と伝える、「体の中の指揮者」のようなものであるそうです。感情や代謝、免疫、睡眠、気分の安定など、体と心のあらゆるバランスは、ホルモンによって調整されているといいます。


数あるホルモンの中でアグネスさんは、気持ちを穏やかに保ってくれる〝ハッピーホルモン〟として、「セロトニン」と「オキシトシン」を解説してくれています。セロトニンを自然に分泌させる方法は、朝の光を浴びることです。一般に知られていることにおいても、地球の自転周期は約24時間で、人間の体内時計は約25時間であるため、朝の光を浴びることで体内時計がセットしなおされて、地球の明暗リズムに同調するようです。また、この本にはセロトニンを整える良いスイッチになるのが、ウォーキングや軽いストレッチといった「緩やかな運動」であると書かれています。


オキシトシンは、「触れ合い」や「つながり」の中で分泌されるホルモンだとあります。家族や大切な人と触れ合うことであったり、人と目を見て話すことや名前を呼び合うなどの温かいコミュニケーションは、体と心に安心感を与えます。それによって自然にオキシトシンを増やしてくれるそうです。


気持ちを穏やかに保ってくれる〝ハッピーホルモン〟に対して、「コルチゾール」などの〝ストレスホルモン〟が優位になると、イライラしたり、疲れやすかったりするそうです。今、自分の中でどのようなホルモンが優位になっているのかを見つめて、必要であるなら環境や行動を整えるように、アグネスさんはいわれます。そうすることを促すために、体はわたしたちにとってストレスとなるようなホルモンをも分泌させて、伝えてくれているのでしょうか。


また、体の中で作られるホルモンには、その材料として、たんぱく質、ビタミン、鉄分などの栄養素が必要です。それらのものが十分体内にあることで、セロトニンオキシトシンも分泌されるのだとあります。


年を経てアグネスさんは、完璧を目指すのではなく、完了を目指そうと思うようになったそうです。まずは、小さな完了を目指し、そこから少しずつ良くしていけばいい、とおっしゃっています。何事も初めから上手くいきません。あきらめたくないものを続けていくためには、気持ちのゆとりが必要です。前を向いて、ちょっとずつ、やっていこう、って思えるアグネスさんの言葉でした。


アグネスさんの言葉や表現の仕方は端的です。なので、心にすっと吸収されるようです。小さなことを気にしないことがストレスを溜めない秘訣、だと表現されていたり。歩くことを丁寧に行うと、筋力維持にもつながっていると実感、であるとか。毎日小さな調整を積み重ねながら、「崩さず保つ」ことが、綺麗であり続けることの基本、という表記もあります。そして、アグネスさんがお化粧をする際に、自分の顔をよく見て、ちょっとずつよく見える工夫をしていることが書かれているのですが、その結びの言葉にとても納得したのです。そして何より大事なのは__「自分の顔を、好きだと思えること」。とありました。


また、アグネスさんは「おかげさまで」という言葉をとても大切にされています。21歳のときカナダに留学した折の生活の中で、自然と浮かんてきた言葉であったそうです。気づいていくことでわかってくる、自分を支えてくれている存在を忘れないでいることは、自分がしあわせになる土台になります。アグネスさんは、その恩恵に感謝して、自分にできることでお返しをしたいと考えておられるようです。目の前にある仕事を丁寧にやること。自分の役割をちゃんと果たすこと。ちょっとした買い物で経済を回すことだったり、何かをするときに人の役に立つように思うことによって。


この本には他にも、柔らかい体と心を保たれているアグネスさんのこれまでの習慣が、具体的に、わかりやすく記述されています。あと、お母さんの介護のことや、ご自身の病気のこと、AIの進化について思うこと等も記されていました。


アグネスさんがこれから目指したいのは、「一緒にいると、なぜかホッとする、ハッピーホルモンいっぱいのおばあちゃん」なのです。