ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画『砂漠でサーモン・フィッシング』を観て ②

(①からつづいています)


資産家は、イエメンの部族の長であるシャイフ・ムハンマドで、彼はこのプロジェクトに協力することになったジョーンズに、感謝の気持ちと、前向きな気持ちでやらなければ何も成功しないことを伝えました。


天然の鮭を手に入れることができなくなります。異議はあると思うけれど、間違いなく養殖の鮭でも遡上すると、ジョーンズはシャイフに話しました。シャイフが、新しい調査結果または論文があるのかと尋ねます。ジョーンズは、分かるのだと答えたのです。信仰心のあるシャイフはうなずき、前に自分自身のことを信心深くないと言ったジョーンズに、それが信心だと告げます。ジョーンズも素直に認めました。科学的に立証されていなくても、川を遡るということが養殖の鮭の細胞にも記憶されているのにちがいないと、ジョーンズは信じることができたのです。


シャイフのやろうとしていることに反対する人たちもいます。彼らの目には、砂漠に水と命を導くことが国を西欧化しているように映り、それは神に対する冒涜だと感じていたのです。


多くの人々の知識、技術、労力のおかげで1万匹の鮭を放流する日がやってきました。シャイフは、イスラム教徒、キリスト教徒、無信心者が信じる心を持って集まったことを素晴らしいことだと述べます。試みが成功するようにみえたとき、反対する人たちの行為によって計画は妨害されてしまうのです。


何もかも終わったと感じる中、明るい兆しを目にしたシャイフが、ジョーンズに向けて声をかけました。それを見たジョーンズが、今度は自分自身で決心します。彼の言葉には、時間をかけて少しずつやったらできるはずだ、そう信じる心がありました。


ジョーンズが自分の心を決める前に、彼はシャイフから“我々はまた挑戦するか?”と問いかけられていました。シャイフもまたハリエットから、再び挑戦するのか問われてのことです。“今はどうすれば⋯⋯”言い淀んだジョーンズにシャイフは、小さくうなずいて、時が来れば分かると言ったのです。


信じる心は、自分の思うとおりにいかなかったからといって失われるものではないのだと思いました。