ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

『noma ノーマ、世界を変える料理』を観て④

(③からつづいています)


それについて、レネさんも補足されています。この食材しかダメだと制限したいわけではなく、大切なのは食材と向き合うことだというのです。できる限り北欧産の食材しか使いたくないというのは、それが食の世界に革命を起こす考え方であるからでした。


また北欧の冬は厳しく、しっかり備えないと十分な食材を確保できなくなるのだといいます。そのためにも、ノーマの農場をつくる計画があるようでした。


ノロウイルス感染後に話をもどします。レネさんは、思い切って大規模な工事をして店を一新させました。仕事場が新しくなって、スタッフにも活気が戻ってきました。


レネさんにとって一番つらかったのは、世界一の称号を取られたことではなく、ノロウイルスの被害を出したことです。ノロウイルスの記憶を払拭し、自分たちは成長しつづけていることを示すために、新しい何かを創り出す必要がありました。


ノロウイルスに悩まされて半年、その傷が癒えてきていることを語るレネさんがいました。“次の数週間は楽しむことを大切にしながら、皆で全力で戦おう”。“考えすぎて感情的になるのはもうやめよう”。“その日の気分に合わないからといって誰かを怒鳴ったり、八つ当たりしたりはしない。みんないいな?”、そう話すのでした。


2014年のベストレストランの授賞式には、ノーマのスタッフ皆で行きました。レネさんは皆を勇気づけ、会場で勝者を称えようと言っていたそうです。結果は、ノーマが1位になります。受賞後に舞台上で、レネさんが話しました。スタッフと喜びを分かち合ったあと、開店当時を振り返り、自分たちは洗練された外食業界では浮いた存在だったこと、そのために“アザラシ野郎”とか変なあだ名をつけられたこと。素敵なスピーチが続きます。最後は、“親愛なるアザラシ諸君、失敗を恐れずに進もう”と結ばれました。


(⑤につづきます)