ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画『カルテット!人生のオペラハウス』を観て ①

映画『最強のふたり』のDVDには、今まで観た中で最も多くの他作品の紹介映像が収録されていました。13作品くらいあったと思います。そのうちの1つが、『カルテット!人生のオペラハウス』でした。


引退した音楽家たちの老人ホームには、いつも音楽が満ちています。とはいうものの、次のコンサートが成功しないと潰れてしまうかもしれないというのです。そこに、新たな入居者として一人の老婦人がやってきました。彼女と、もともとホームにいた男性二人と女性一人との再会によって、英国史上最高といわれた四重唱(カルテット)の顔ぶれが揃います。当然のことながら周囲は、彼らの四重唱を期待しますが、四人のうちの二人は元夫婦で、それも9時間で別れていた過去がありました。“さあクライマックスはこれから――”。年を重ねた、深みのある四重唱を聴きたいと思いました。


カルテット!人生のオペラハウス』は、2013年に公開されたイギリスの作品です。映画『クレイマー、クレイマー』で(7歳の息子を一人で育てることになった)父親を演じた、俳優のダスティン・ホフマンさんが初めて監督した映画でもあります。


引退した音楽家たちの老人ホーム、ビーチャム・ハウスに新たに入居したジーンは、そこで暮らしている老紳士、レジーのことを気遣っていました。ビーチャム・ハウスに向かう車の中でもジーンは、彼に詫びる言葉を練習していたくらいです。レジーのほうはジーンに再び会うつもりはなかったので、彼女が突然目の前に現れ、しかも同じ施設で暮らすようになったことを腹立たしく感じます。


ジーンはレジーを散歩に誘いました。ジーンは腰痛のために杖をついて歩きます。彼女は勝ち気で、またプライドはあるけれど率直です。年を重ねて本当のことを吐露できるようになっていました。感情にも素直だったのは、レジーの前だったからかもしれません。


(②につづきます)