ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

100歳の男性の言葉

今年(2023年)の4月、テレビ番組の『ナニコレ珍百景』で、賞状や表彰状の文字を手で書く仕事をしている男性が、取材を受けておられました。男性は、今年で100歳になるといわれ、67歳で印刷会社の経営を引退した後も、文字を書くことが好きだったので、手書きの仕事は続けられたようです。文字を書く仕事は50年になると、おっしゃっていました。


100歳の男性への取材の中で、20代前半の若い男女が、その男性に質問する場面がありました。「100年生きるってどんな感じですか?」。若い女性が尋ねると、「一日一日、一年一年、一生懸命に生きるというのが主体です」、100歳の男性は穏やかに返されました。


また、若い男性からは、「物事とか仕事にしても、やるときに飽きちゃうんです。解決方法みたいなものはありますか?」という問いかけがありました。それに対して、100歳の男性の返答は、「続けられそうにないものには手をつけない。合わないものには長くやろうとしないで、長くやろうとするものには一生懸命がんばる」というものでした。


これらのやりとりを聞いていて最初に感じたことは、若い男性が飾らない素直な聞き方をされたことです。聞きたいことを率直に伝えられたから、知りたかった内容が簡潔に返ってきたのだと思いました。テレビの前にいた、わたしにとっても聞きたい言葉でした。


返された100歳の男性のお話には、長くやろうとするものに一生懸命がんばっている、という、どの世代にあっても共通する、歩み行く人の姿がありました。


100歳の男性は、奥さんの作られたごはんをおいしそうに食べられ、趣味である陸上競技も楽しんでおられたように記憶しています。また、取材スタッフの方に、100年の中で一番腹が立ったことを尋ねられた男性は、あんまりわたしは腹が立たないのだと答えたあとに、立たないようにしていることをつけ加えておられました。


誰でも、うまくできることと、できないことがあるのだと思います。できることや、好きなことに取り組んでいることで、人と比べない気持ちになっていくのではないでしょうか。