ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』を観て②

(①からつづいています)


ダンブルドア校長に託された仕事のためにホグワーツに行きたいというハリーに、アバーフォースは言います。兄が君に課したのは自殺行為の任務だと。また、兄が自分や妹のことを話したことがあるかと尋ね、何も教えない男のことを信用できるのかというのです。兄弟の事情に興味はない。戦いを捨てるのも自由だ、でも僕は先生を信じる。ハリーはそう言うと、今夜のうちに城に入りたいのだと伝えました。アバーフォースは絵の中にいる妹に、頼んだよ、と声をかけるのでした。


ハリーの周囲には、知ることがなかったら、分からずじまいだった存在もいました。


スネイプ先生。彼は息を引き取るときに、そばにいたハリーに、自分の記憶を“憂いの篩(うれいのふるい)”にかけてくれるように頼みました。時が来たらハリーにあることを告げよ、とダンブルドア校長に託されていたからです。それがなかったらスネイプ先生は、心の内を明かすことなく逝ってしまったのかもしれません。


覚悟ができたハリーのために、ダンブルドア校長が遺してくれたものがありました。“蘇りの石”です。ハリーは石を握りしめて目を閉じます。次に目を開けたとき、彼の前には父と母、シリウスやルーピン先生たちが立っていたのです。なぜ皆がここにいるの? と尋ねるハリーに母は、ずっといたわ、と答えたのです。ハリーは石を握った手を広げ、その場に石を落としました。


『死の秘宝PART2』は壮大な、丁寧に作られたジグソーパズルのように感じました。一人ひとりの人の思いや言葉、そして行動が重要で、誰か1人でも欠けていたら、この結末には至らないのだろうと思われます。


1つ1つの物事がつながって、充実した全容が見えるようになることは喜びでもあります。アバーフォースの存在によって、ドビーがハリーたちを助けに来てくれたいきさつが分かりました。ハリーが捕まったとき、ベラトリックスに本物のハリーかどうか確認を求められたマルフォイが、ハリーだと言わなかったのはどうしてか? マルフォイの普段の姿を覗けたら分かるかもしれません。