ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

老いの始まる秘密 その1

もしかしたら「冒険」は、何十年も生きてきた大人がしっくりする言葉なのかもしれません。


50代を境目に、疲労感が簡単に抜けなくなりました。からだの変化に伴って気持のほうも、今日できなかったら明日やろうという具合に、ゆっくりになった気がします。心やからだが省エネルギー型になったようです。それはそれで悪いことではないと思っていました。


そんななか、「疲れているから楽をしたい、と思うときこそ魔物のうれしい出番である」という言葉に行き当たりました。魔物とは“老い”のことです。魔物のやってくる年代は、その人によって違います。40代でやって来る人も、90代でもまだ来ない人もいるのです。その人の生き方しだいで差がつくのである。と、こちらも、田村セツコさんの『おちゃめな老後』(WAVE出版)の中で見つけました。作家の萩原葉子さんのエッセイ「楽は鬼門」(雑誌『明日の友』掲載)からの内容でした。


セツコさんがお母さんと妹さんを介護する毎日を、なんとか乗り切っていた当時、葉子さんはセツコさんに、これ読んで、と言って「楽は鬼門」が載った雑誌を手渡してくれたのです。そこには、葉子さんの日常も綴られていました。午前中から夕方まで、一日の80%は机に向かいます。残りの20%は、オブジェの製作とダンスのレッスンです。掃除、洗濯、料理、買い物、来客など生活に係わることがあります。そのうえに、ギターやマンドリン、乗馬もやってみたいと思われているのでした(ひえーっ。セツコさんの心の叫びと同感です)。

(その2につづきます)