ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

草刈正雄さんに学ぶ ⑤

(④からつづいています)

 

2011年に草刈さんは、それまでの芸能事務所から独立しました。そのときからの顔ぶれのスタッフが、仕事を離れたところで格好にあまり構わない草刈さんに、どの現場に行くにもスタイリストとヘアメイクを伴うように助言してくれたそうです。結果、草刈さんは着こなせている自分を発見し、気持ちも上がることを実感します。草刈さんの仕事への姿勢が周囲の人に伝わりやすくなるとともに、草刈さんの持てるものを生かすことでもあります。


また、主役ではなくて四番手や五番手の役であっても、台本を読んで面白ければ受けていくという考えの草刈さんに対して、スタッフの皆さんもあれやこれやと新しい発想やアイデアが浮かんでくるそうです。


草刈さんにとって台本は、役者という仕事をする上での柱のようなものです。仕事を決めるときだけではなく、答えはすべて台本の中にあるのだといわれます。草刈さんの仕事に対する基本的なこだわりは、とにかく台本を読み込んで、台詞を完璧に入れていくようにすることです。台詞さえ入っていれば、少しくらい何かあっても対応はできるそうです。台本ととことん顔を突き合わせて⋯⋯ということを繰り返し愚直にやっていくのみだとあります。


心身ともに健康で、さらに素直な人間でありたいと、草刈さんはおしゃいます。これまで何度も危機的状況の中から救われたのは、いろいろな人たちとの出会いがあったからでした。そのとき、草刈さんもできるだけ“素直であろう”としていたそうです。“素直に人の言葉に耳を傾け、素直に受け入れてみる。それは、人生の流れを柔軟に受け止めていくことにもつながります。素直であれば、何かしら気づいたり、見えてきたりするものもある”、といわれるのでした。


(⑥につづきます)