ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

草刈正雄さんに学ぶ ⑥

(⑤からつづいています)


2010年の夏に亡くなられた草刈さんのお母さんは、よく“ありがとうとごめんなさいを素直に言える人になりなさい”と言ってくれたそうです。草刈さんは、変なプライドやメンツにこだわらずにここまで来られたのもお母さんのお陰だと話されます。また、草刈さんが36歳のときに、12年間の交際を経て結婚された奥さんは、一歩引いて草刈さんを見ていてくれて、いい距離感で放っておいてくれるようです。


NHK大河ドラマ、『真田丸』を初めて観たとき、大泉洋さんはいつもの軽妙な雰囲気ではなく実直な長男の役なんだ、堺雅人さんは恐れずに物事に立ち向かっていき兄を助けようとする次男の役なんだ、一瞬そんなふうに感じてから物語に引き込まれていきました。振り返ってみると、二人の父、真田昌幸は最初から真田昌幸その人でした。草刈正雄さんという俳優を意識することはなかったのです。衣装や扮装の力もあると思います。そのうえで、その時代に、その土地で、その立場で数十年を生き抜いてきた人間の深さを感じたからだと思うのです。