ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

植物の不思議 ②

(①からつづいています)


農学博士である田中修さんが書かれた、『葉っぱのふしぎ 緑色に秘められたしくみと働き』(ソフトバンク クリエイティブ)という本の「あとがき」に、次のような記述があります。


春から秋にかけて働き続けた葉っぱが、冬の寒さを前にして「すべての仕事が終わった」と感じ、最後の仕事、枯れ落ちるための支度をするのだというのです。田中さんがそのように思う根拠として、葉っぱが生涯の最期にする3つの仕事をあげています。


「1つめは、葉っぱが緑色のときに持っていたデンプンやタンパク質を樹木の本体に送ることです。枯れる前に、栄養分を樹木の本体に戻すのです」とあり、そのために落ち葉は栄養分をほとんど含まず、カサカサであるといいます。


「2つめは、葉っぱが落葉に先だって、葉の柄(葉柄)の付け根に『切り離すための場所』を形成することです。この場所を『離層』といいます」そして、「最後に決定的なのは、葉っぱが離層の形成を抑えるために送り続けていたオーキシンという物質を送ることをやめることです」と、実験や観察をとおして語っておられます。


落葉樹と常緑樹という違いや、生育する木についている葉と、切り取られた枝につく葉という違いはありますが、どちらも木や葉っぱが、環境に応じて判断しているのだと感じられました。


クルクルの葉っぱに水分が必要なのかどうか分かりませんが、葉が枝を離れるまで、水だけは毎日替えようと思っています(もしかすると、葉柄に手が触れて落としてしまう確率のほうが高いかもしれません)。


葉が散ったあとは、めったに見ることのできないものを見せてもらえた驚きをたいせつにします。