ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

自由に、楽しむ気持ちって、たいせつ ②

(①からつづいています)


最初の本を書きあげた角野さんは、今度は物語を書いてみたいと思ったそうです。毎日、ご飯を食べるように書き続けました。「7年たって、終わりまで書けた作品がやっとふたつできました」と、書かれています。その作品が、『ビルにきえたきつね』(ポプラ社)と、『ネッシーのおむこさん』(金の星社)です。


『ビルにきえたきつね』に、にわばんをしている鈴木さんが、互いに相手のことを知っている、きつねののどをこそこそとなぜるという描写があります。なぜた人の、手の感触や気持ちまで伝わってきました。人間の欲深い面や、美しいものを見せてくれたきつねのことを忘れない思いも描かれています。創作だけど、嘘じゃないと感じました。


一つの風景から想像をふくらませて、ほんとうのことを、おもしろく、楽しくなるように工夫されています。最初の読者は、角野さんなのでした。


角野栄子 エブリデイマジック』は、文章を書きたいと思う人が参考にさせてもらえる本です。そのなかでも、こうでなければならないことはないんだ、やり方はみんなと同じでなくていいんだ、と教えてくれます。


角野さんの地道な努力は、年単位です。自分でやってみて、つみ重ねて、分かっていく方式なのだと了解しました。