(①からつづいています)
ところが、年末からお正月にかけての寒波に当たったせいで、ある朝見ると、ヒメツルソバは干し草が水分を含んでぺったんこになったようでした。このままにはしておけないと母が言います。この状態からどうなっていくのか知りたかったわたしは、そのままにしておいてほしいと母に頼みました。
程なく再度かたつけると言う母に聞いてみました。“もしかして毎年枯れたらかたつけてくれてたの?”。“そうや、知らんかったん?”と母。ヒメツルソバが寒い冬にはいなくなり、暖かい春になると(地中から)戻ってくるなどと言っていた自分が恥ずかしくなります。
それから何日か経った暖かい日。玄関前の側溝沿いにネギのプランターを3つ並べていて、プランターの下にコンクリートのブロックを置いているのですが、ブロックによって風を凌げるところでは、ヒメツルソバの緑の葉っぱが見えました。風を避けられて、かつ日当たりのいい場所ではピンクの花も付けています。
2月下旬の現在、地を這うヒメツルソバの茎とコンクリートの間に、枯れた葉や花が腐葉土化して挟まっている場所もあります。そのようなところは、(今のように少しずつ葉がつき出すまで)いったん赤茶色の茎がむき出しになって血管のように見えました。
全てがそんな状態ではありません。ほとんどのヒメツルソバは葉や花が枯れたままになって、どこからか風で飛んできた木の葉や、他の草の枯れたものと積み重なり、全体的に茶色いかたまりになっています。このままではそそべない(母注:今まできれいにしてたのに、放りっぱなしになっている)、と口にした母の考えは正しかったと思われます。
(③につづきます)