ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』を観て①

幼いころから、おばあさんに憧れる気持ちがありました。経験に基づいた思慮深さであったり、つらい場所に止まっていない根の明るさを感じたからだと思います。なので自分より年上の人のお話を聞くことが好きでした。


少し前に図書館で借りた本、『ずっと読みたい0才から100才の広告コピー』(編者:WRITES PUBLISHING・ライツ社)の中で、『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』という、実在の人物に取材した映画があることを知りました。


アイリス・アプフェルさんは1950年代から活躍されたインテリアデザイナーで、2005年、84歳のころにはメトロポリタン美術館で展覧会を開催し、大評判になったというものでした。アイリスさんのお話を聞きたくなったので、DVDを借りて来て観ました。


『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』は、2015年に公開されたアメリカ映画です。タイトルにあるように、撮影当時のアイリスさんは94歳。すらりとした体形で、背筋も伸びています。歩くときに杖はついていますが、体は真っ直ぐなままです。短く美しい白髪で、面長な顔に丸いフレームの大ぶりなメガネがよく似合っています。


2005年にメトロポリタン美術館で開催された展覧会は、(全米でも1、2を争うコスチューム・ジュエリーのコレクターであると美術鑑定士が認めるほどの)アイリスさんの所蔵品を展示したものでした。しかも、そのまま台に載せて陳列するのではなく、服とアクセサリーをアイリスさん自身がコーディネートしたのです。美術館の服飾文化部門、ハロルド・コーダ学芸員からの提案でした。5パターンほど用意してほしいと言われ、何をどう飾るのかは、アイリスさんに100%任せられたといいます。


(②につづきます)