『ハリー・ポッター』シリーズは、1つのタイトルの作品で1年が経過しています。前作の『炎のゴブレット』は4作目だったので、ハリーたちが11歳でホグワーツに入学してから3年が経っていました。
初めてホグワーツに向かう汽車の中では、ハリーが買った車内販売のお菓子を喜んで食べているロンがいました。前作では同じ車内販売で、ドルーブル・ガムと杖型アメを買おうとしたロンが、自分の所持金を見たあとアメをあきらめました。それを見ていたハリーが、ぼくが買うよと言ってくれますが、ロンは大丈夫ガムだけでいいんだと返したのです。成長したロンの姿でした(一方で、11歳のロンの屈託のない笑顔が懐かしくもあります)。
物語の流れとして『炎のゴブレット』までは、闇の魔法使いヴォルデモートが弱まっていた力を取り戻そうとしていました。以降は、復活したヴォルデモートに向き合わなければならなくなりました。
希望の持てるタイトルだなあと期待しつつ、5作目の『不死鳥の騎士団』を観ました。
復活したヴォルデモートに向き合えない人がいました。魔法省のファッジ大臣です。恐怖のためでした。大臣は闇の帝王の復活を見たというハリーをウソつき呼ばわりし、ダンブルドア校長のことを恐怖をあおって魔法省を我がものにしようと企んでいるのだと、新聞社に圧力をかけて中傷していたのです。
その間にもヴォルデモートは、14年前と同じように大勢の魔法使いや闇の生き物を支配下におこうとしていました。さらに彼は、前回は持ってなかった“ある物”を求めているのでした。
ハリーは、学校に戻ってからも悪夢にうなされていました。彼の周囲には新聞記事を読んで、よそよそしくなったり、面と向かって疑いの言葉を口にする生徒もいます。
(②につづきます)