(②からつづいています)
王の息子のレゴラスと、タウリエルはドワーフを助けるために急ぎました。それぞれの死闘のあと、その丘にやって来た王に、レゴラスは森には戻れないことを伝えました。どこへ行く? と聞いても、分からないと答える息子に、王は北へ行って一人の若者と会うことを勧めました。若者の父、アラソルンはよき長でした。息子もまた偉大な長となるだろう、と言ったのです。立ち去ろうとするレゴラスの名前を呼び止めた王は、母はそなたを愛していた、と告げるのでした。
タウリエルはドワーフの戦士、キーリの死を受け入れられずにいました。2人は互いに思い合っていたからです。キーリのそばに座ったままのタウリエルが、なぜこんなにもつらいの? と、傍らに立つエルフの王に尋ねました。王は、本物の愛だからだ、と返したのです。
道は自分の心で歩いていくしかないんだなと感じました。いろんな経験をして、ちょっとずつ気づいていくのが生きるということだとしたら、生きることそのものに意味がある、という言葉が思い出されて、腑に落ちました。
最後に、ガンダルフがビルボに言った言葉が心に残ります。わしはお前が大好きだ。だが、この広い世界では――ちっぽけなひとりに過ぎん。