『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ2作目の『二つの塔』をへて、いよいよ最終作の『王の帰還』を観ることができました。観る前には、やっと物語が決着するんだという期待感がありました。観終わった後は、胸にすこし重いものが残りました。この気持ちを整理したいと思います。
冥王サウロンの目は、ゴンドール王国に向けられていました。メリーとピピンに再会した、ガンダルフ、アラゴルンとレゴラス、そしてギムリは、ローハン国の軍隊と共に、ゴンドール国の援軍となったのです。
フロドとサムの間には亀裂がはいりかけていました。スメアゴルがフロドとサムを引き離して、一人になったフロドから指輪を奪おうと画策していたのです。
スメアゴルには指輪に対する執着心と、それに伴う大きな代償がありました。指輪は彼に長寿を与えてくれましたが、安らぐことのできる日はなかったのです。自分が支配されてしまうほどの執着するものがあるのは、おそろしいことだと感じます。
指輪を手にした、かつてのイシルドゥアや、肌身離さず指輪を持って旅するフロドが、指輪から離れがたく思う気持ちは、指輪の魔力によるものだけではないのでしょう。指輪を利用しようとする考えや、わたしが……わたしが……と思う気持ち、わたしのものだという、欲みたいなものが指輪の魔力に呼応するのだと思います。それが、自分にとっても他人事じゃないと感じるから、心がうすら重いのだと思うのです。
(②につづきます)