ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画『カラーパープル』を観て① 

スティーヴン・スピルバーグ監督の代表作を調べていたとき、『ジュラシック・パーク』シリーズ、『シンドラーのリスト』、『A.I.』などが並ぶ中で、目にとまったのは『カラーパープル』という作品名でした。1986年に、日本で公開された当時から観たいと思っていた映画です。正確に言うと、自分にとって観る必要のある主題だと思ったのです(ただ観るのには勇気がいって、ためらっているうちにそのまま忘れていました)。


どうして観たくないのに観なければいけないんじゃないかと思うのか、考えながら『カラーパープル』を観ました。主人公、セリーは14歳。黒人の少女です。彼女は、まだ意味もわからないままに、逃げ出すこともできない状況で、最初は男の子を、今度は女の子を出産しました。セリーと、彼女の妹のネティから父と呼ばれる人は、赤ん坊が生まれるとすぐに、どこかに連れて行きました。やがてセリーの母は、不幸をののしり叫びながら死んでしまいます。セリーは心の中で神様と対話します。あたしはいつもいい子です。これはどういう事なのかお告げを下さい、と。神様からの返事がないままに、彼女は妹のネティを自分と同じ目に合わせないように守ってみせると決意するのでした。


セリーたちの父が、セリーと同じくらいの年の、若い娘と再婚しました。父はセリーを、妻に先立たれて、3人の子どものいる、アルバート(セリーは彼を“ミスター”と呼ぶ)のところに嫁がせます。先妻が亡くなった後の家の中は荒れ果てていました。掃除、洗濯、食事の支度に、子どもの世話。アルバートが気にいらなければ怒鳴られ、殴られます。セリーは妻とは名ばかりの使用人でした。


(②につづきます)