ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画『オールウェイズ』を観て① 

少し前に、家でオードリー・ヘップバーンの写真集を見ていたら、彼女が最後に出演した映画、『オールウェイズ』を観たくなりました。


1989年に公開された『オールウェイズ』は、(『E.T.』、『インディ・ジョーンズ』シリーズなど数多くの代表作をもつ)スティーヴン・スピルバーグが監督した映画で、この作品の中でオードリーは、主人公を天国で迎える天使の役をしています。


主人公のピートは森林火災の消火隊員で、彼の任務は飛行機に積み込んだ消火剤を、火の勢いが激しい場所を目がけて散布することです。正確に散布し、確実に消火するためには燃えさかる炎の近くまで降下する必要があります。同僚、アルの飛行機に燃え移った火を消すことに成功したピートでしたが、そのことによって自分の機体にも火が点き、その火は消すことができずに爆死してしまうのです。


天国に行ったピートを待っていてくれたのは、天使のハップでした。

「おれは死んだのか?」

「そうよ」

「死んだ?」

「そうよ」

たぶんそうだとは思うけれど、もしたしたら夢なのかもしれないというように、ピートは静かな口調で尋ねます。それに対してハップもまた、穏やかに返してくれました。


ハップの話では地上の時間で言うと、あれから5ヶ月経っていました。ピートはハップと一緒に、こがね色の畑の中を歩いています。遠くの方から飛行機のエンジン音が近づいてきました。目をやると、それはピートが最初に操縦した飛行機でした。彼は単独で飛行したことを思い出します。


(②につづきます)