ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

映画『仮面の男』を観て② 

(①からつづいています)


人間は皆、神の道具です。難しいことですが、神を信じ神にすがるのです。と、アラミスはフィリップに諭しました。“言うはやすし”さ。人は飲み食い人生を謳歌する。ポルトスが返します。確かに納得できる理由が必要だ、とアトス。そのアトスに、君の気持ちは分かるとフィリップが告げると、わたしの気持ちを? アトスはフィリップの顔に確かめました。息子さんの話を聞いた。フィリップの言葉に意味が飲み込めたアトスは、アラミスとポルトス2人の方を見ます。ポルトスがうつむきました。


アトスの妻が自分の命と引き替えにして産んだ、息子のラウルは成長し、銃士隊の一員となって恋人のクリスティーンと結婚するところでした。そんなとき、ルイ王が美しいクリスティーンに関心を持ってしまいました。ラウルは戦地の最前線に送られ、生きて帰ることはできなかったのです。


フィリップに向き直ったアトスは、その恨みからと? と問いかけ、それは少し違うのだと、自らの本心を語り始めました。


自分の力を超えた働きをすることが我々の夢でした。アラミスにとっては信仰であり、ポルトスは生命力です。ダルタニアンにとって忠誠。わたしにはラウルでした。4人の共通の夢は、国王の名に値する立派な王に仕えること。その夢が実現する日を待って、我々は今日まで生きてきたのです。その夢の話をラウルにもしました。けれど彼は死にました。息子の一生は無駄だったのか? その答えを下さるのはあなたです。アトスの話を聞き終えたフィリップは意を決するのでした。


アラミスは信仰、ポルトスは生命力、ダルタニアンは忠誠で、アトスにはラウル。それが彼らにとっての実現したいと思うことでした。夢は、自分の限界をちょっとずつ伸ばしていった先にあるのでしょうか。あきらめて放り投げることがなかったら、途中で終わったように見えても、つづいていくものがあるのではないかと感じました。


納得できる理由があったなら、自分のやるべきことに迷うことはないのでしょう。